正社員年収⇄フリーランス単価 換算機
「単価×12」の雑な換算ではなく、社会保険の労使折半という見えない差・経費・稼働率・税まで織り込み、手取りが同じになる年収(手取り等価)と企業の総コストが同じになる年収(企業コスト等価)の2つを、内訳つきで並べて計算します。
① 手取り等価
| 内訳 | フリーランス | 正社員 |
|---|
② 企業コスト等価
| 内訳 | フリーランス | 正社員 |
|---|
「① 手取り等価」は最終的な手取り額をそろえた比較、「② 企業コスト等価」は企業が支払う総コスト(会社負担の社会保険料込み)をそろえた比較です。②の年収のほうが①より高く出るのは、会社負担分がまるまる年収換算に乗るためで、「単価が高く見えるのに手取りが思ったほど増えない」理由の一つです。
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なぜ「単価×12」では計算しないのか
フリーランスの月単価を12倍しただけの年収換算は、正社員との比較としては実態とかけ離れています。理由は主に4つです。
- 社会保険料の労使折半という見えない差 … 正社員は健康保険・厚生年金の保険料を会社と折半し、本人負担は概算で年収の約15%程度です。フリーランスが加入する国民年金・国民健康保険には折半の仕組みがなく、全額自己負担になります。
- 経費 … フリーランスは仕事にかかる費用(機材・ソフトウェア・通信費など)を年商から差し引いた後の金額が実質的な所得になります。
- 稼働率 … 正社員と違い、フリーランスは案件が途切れる月や、営業・準備に充てる時間があり、月単価×12ヶ月がそのまま年商にならないのが一般的です。
- 税の構造の違い … 給与所得控除(正社員のみ適用)や青色申告特別控除(フリーランスのみ適用)など、同じ税制でも所得の種類によって控除の仕組みが異なります。
本ツールはこの4点をすべて織り込み、「手取りが同じになる年収」と「企業の総コストが同じになる年収」の2つを算出することで、単価と年収の差がどこから生まれているかを内訳つきで可視化します。
計算に使っている前提(既定値・調整可能な入力)
次の前提は固定で計算しています。これらが当てはまらない場合、結果は目安として大きくずれます。
- 単身・扶養家族なし(配偶者控除・扶養控除は考慮していません)
- 40歳未満(介護保険料(40〜64歳が対象)は含めていません)
- 東京都特別区(23区)在住(国民健康保険・住民税の均等割は自治体により異なります)
- 消費税は考慮外(単価は税抜き前提。インボイス制度(適格請求書等保存方式)が取引条件に与える影響は本ツールの範囲外です)
月単価・稼働率(または稼働月数)・経費率(または経費額)・青色申告特別控除は、フォームから調整できます。
計算式と定数(年度・出典)
税率・保険料率は年度ごとに改定されるため、以下のとおり定数として明示し、出典を付けています(tools/nenshu-tanka/app.js 冒頭にまとめています)。
| 項目 | 値(年度) | 出典・備考 |
|---|---|---|
| 国民年金保険料 | 月17,510円(2025年度) | 日本年金機構「国民年金保険料」 |
| 国民健康保険(東京都特別区・40歳未満) | 所得割10.40%+均等割65,600円 賦課限度額89万円 | 東京都国民健康保険(特別区)令和7年度概算。自治体差が大きい |
| 所得税 基礎控除 | 48万円 | 国税庁(合計所得2,400万円以下) |
| 住民税 基礎控除・均等割 | 43万円/均等割5,000円 | 総務省「個人住民税」概算(調整控除は簡易化のため無視) |
| 所得税 速算表 | 5〜45%の7区分 | 国税庁 No.2260「所得税の税率」+復興特別所得税×1.021 |
| 個人事業税 | 既定0円 | エンジニア職はグレーゾーンのため既定0(課税されるケースもあり要確認) |
| 給与所得控除 | 55万〜195万円 | 国税庁 No.1410「給与所得控除」(令和2年分以後) |
| 社会保険料率(本人負担・協会けんぽ東京) | 健保4.99%+厚年9.15%+雇用0.6% | 協会けんぽ東京支部・日本年金機構・厚労省の2024〜2025年度概算 |
| 会社負担率(概算) | 年収×約15% | 本人負担と同水準の健保・厚年に子ども子育て拠出金等を加えた概算 |
「手取り等価」「企業コスト等価」の求め方
手取り等価は、正社員の手取りが年収に対してほぼ単調に増加する性質を利用し、二分探索でフリーランスの手取りと一致する正社員の年収を求めています。企業コスト等価は、フリーランスの年商から会社負担分(約15%)を逆算して直接計算しています(企業コスト=年収×1.15 なので、年収=年商÷1.15)。「年収→単価」の逆方向でも同じ考え方で、フリーランスの月単価を二分探索・直接計算のいずれかで求めています。