正社員年収⇄フリーランス単価 換算機
「単価×12」の雑な換算ではなく、社会保険の労使折半という見えない差・経費・稼働率・税まで織り込み、手取りが同じになる年収(手取り等価)と企業の総コストが同じになる年収(企業コスト等価)の2つを、内訳つきで並べて計算します。
月単価→手取り等価年収 早見表
フォームに入力する前に、まず"だいたいの当たり"を確認できる早見表です。前提は既定値と同じ稼働率90%・経費率10%(ITエンジニア想定)・青色申告特別控除65万円で、下のフォームで同じ条件を入力すると同じ数値が得られます(実際の計算エンジンの出力そのものです)。この前提が当てはまらない場合は、下のフォームで自分の条件に合わせて計算してください。
| 月単価(フリーランス) | ① 手取り等価年収 | ② 企業コスト等価年収 |
|---|---|---|
| 40万円 | 377万円 | 376万円 |
| 50万円 | 466万円 | 470万円 |
| 60万円 | 558万円 | 563万円 |
| 70万円 | 642万円 | 657万円 |
| 80万円 | 733万円 | 751万円 |
| 100万円 | 918万円 | 939万円 |
逆方向(年収からフリーランスの月単価の目安を見る)
| 年収・額面(正社員) | ① 手取り等価の月単価 | ② 企業コスト等価の月単価 |
|---|---|---|
| 400万円 | 43万円 / 月 | 43万円 / 月 |
| 500万円 | 53万円 / 月 | 53万円 / 月 |
| 600万円 | 65万円 / 月 | 64万円 / 月 |
| 700万円 | 77万円 / 月 | 75万円 / 月 |
| 800万円 | 87万円 / 月 | 85万円 / 月 |
| 1000万円 | 108万円 / 月 | 106万円 / 月 |
①手取り等価・②企業コスト等価の意味は、下のフォームで計算した結果の①②と同じです。稼働率・経費率・青色申告特別控除が既定値と異なる場合、実際の金額は表の値からずれます。
初期表示はフォームの既定条件(月単価80万円・ITエンジニア・稼働率90%・経費率10%・青色申告特別控除65万円)で計算しています。
月単価80万円 × 12ヶ月 × 稼働率90%(年10.8ヶ月相当)= 年商864万円 として計算しています。
① 手取り等価
フリーランスの手取り(税・社会保険料を引いた後の金額)と同じ手取りになる、正社員の年収(額面)です。単価×12ではなく、実際に手元に残る金額どうしをそろえて比較しています。733万円
フリーランスの手取り 552万円 と同じ手取りになる、正社員の年収(額面)です。
| 内訳 | フリーランス | 正社員 |
|---|
② 企業コスト等価
正社員を1人雇うために会社が負担する総コスト(給与に会社負担の社会保険料等を加えた額)が、フリーランスの年商と同じになる正社員の年収(額面)です。会社負担分がまるまる年収換算に乗るぶん、①より高い年収になります。751.3万円
会社負担の社会保険料等を含めた企業総コストが、フリーランスの年商 864万円 と同じになる正社員の年収(額面)です。単価が高く見える理由の一つがこの差です。
| 内訳 | フリーランス | 正社員 |
|---|
「① 手取り等価」は最終的な手取り額をそろえた比較、「② 企業コスト等価」は企業が支払う総コスト(会社負担の社会保険料込み)をそろえた比較です。②の年収のほうが①より高く出るのは、会社負担分がまるまる年収換算に乗るためで、「単価が高く見えるのに手取りが思ったほど増えない」理由の一つです。
なぜ「単価×12」では計算しないのか
フリーランスの月単価を12倍しただけの年収換算は、正社員との比較としては実態とかけ離れています。理由は主に4つです。
- 社会保険料の労使折半という見えない差 … 正社員は健康保険・厚生年金の保険料を会社と折半し、本人負担は概算で年収の約15%程度です。フリーランスが加入する国民年金・国民健康保険には折半の仕組みがなく、全額自己負担になります。
- 経費 … フリーランスは仕事にかかる費用(機材・ソフトウェア・通信費など)を年商から差し引いた後の金額が実質的な所得になります。
- 稼働率 … 正社員と違い、フリーランスは案件が途切れる月や、営業・準備に充てる時間があり、月単価×12ヶ月がそのまま年商にならないのが一般的です。
- 税の構造の違い … 給与所得控除(正社員のみ適用)や青色申告特別控除(フリーランスのみ適用)など、同じ税制でも所得の種類によって控除の仕組みが異なります。
本ツールはこの4点をすべて織り込み、「手取りが同じになる年収」と「企業の総コストが同じになる年収」の2つを算出することで、単価と年収の差がどこから生まれているかを内訳つきで可視化します。
計算に使っている前提(既定値・調整可能な入力)
次の前提は固定で計算しています。これらが当てはまらない場合、結果は目安として大きくずれます。
- 単身・扶養家族なし(配偶者控除・扶養控除は考慮していません)
- 40歳未満(介護保険料(40〜64歳が対象)は含めていません)
- 東京都特別区(23区)在住(国民健康保険・住民税の均等割は自治体により異なります)
- 消費税は考慮外(単価は税抜き前提。インボイス制度(適格請求書等保存方式)が取引条件に与える影響は本ツールの範囲外です)
月単価・稼働率・経費率(または経費額)・青色申告特別控除は、フォームから調整できます。稼働率と経費率は「詳細設定」を開くとスライダー・チップで調整でき、経費率は職種プリセットからも選べます。
計算式と定数(年度・出典)
税率・保険料率は年度ごとに改定されるため、以下のとおり定数として明示し、出典を付けています(tools/nenshu-tanka/app.js 冒頭にまとめています)。
| 項目 | 値(年度) | 出典・備考 |
|---|---|---|
| 国民年金保険料 | 月17,920円(令和8年度) | 日本年金機構「国民年金保険料」(新しいタブで開きます) |
| 国民健康保険(東京都特別区・40歳未満) | 所得割10.58%+均等割67,000円 賦課限度額96万円 | 東京都保健医療局「令和8年度 特別区国民健康保険料一覧表」。自治体差が大きい |
| 所得税 基礎控除 | 62万〜104万円(合計所得金額の階層別) | 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」(令和8年4月)(新しいタブで開きます)(令和8・9年分の上乗せ特例を含む最新の金額の出典)。制度の一般的な説明は国税庁 No.1199「基礎控除」(新しいタブで開きます)も参照(同ページの金額は年度により本ページの表示と異なる場合があります) |
| 住民税 基礎控除・均等割 | 43万円/均等割5,000円 | 総務省「個人住民税」概算(調整控除は簡易化のため無視) |
| 所得税 速算表 | 5〜45%の7区分 | 国税庁 No.2260「所得税の税率」(新しいタブで開きます)+復興特別所得税×1.021 |
| 個人事業税 | 既定0円 | エンジニア職はグレーゾーンのため既定0(課税されるケースもあり要確認) |
| 給与所得控除 | 74万〜195万円 | 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」(令和8年4月)(新しいタブで開きます)(令和8・9年分限定の最低保障額74万円の出典)。制度の一般的な説明は国税庁 No.1410「給与所得控除」(新しいタブで開きます)も参照(同ページの金額は年度により本ページの表示と異なる場合があります) |
| 社会保険料率(本人負担・協会けんぽ東京) | 健保4.925%+厚年9.15%+雇用0.5%+子ども・子育て支援金0.115% | 協会けんぽ東京支部・日本年金機構・厚労省の令和8年度改定 |
| 会社負担率(概算) | 年収×約15% | 本人負担と同水準の健保・厚年に子ども子育て拠出金等を加えた概算 |
「手取り等価」「企業コスト等価」の求め方
① 手取り等価(反復計算)
手取り等価は、正社員の年収を少しずつ変えながら、手取りがフリーランスの手取りと一致するところまで絞り込んで求めています(年収を上げれば手取りも増えるという関係を使った反復計算です)。
② 企業コスト等価(直接計算)
一方の企業コスト等価は反復計算ではなく、フリーランスの年商から会社負担分(約15%)を逆算する直接計算です(企業コスト=年収×1.15 なので、年収=年商÷1.15)。「年収→単価」の逆方向でも同じ考え方で、①は反復計算・②は直接計算でフリーランスの月単価を求めています。
よくある質問
月単価80万円は年収いくらに相当しますか?
稼働率90%・経費率10%・青色申告特別控除65万円という一般的な前提では、月単価80万円のフリーランスの手取りと同じ手取りになる正社員の年収はおおむね700万円台になります。さらに、正社員を雇う企業側の総コスト(会社負担の社会保険料込み)で比べると、その年収はもう少し高くなります。単価×12=960万円という単純計算より低くなるのは、フリーランスは社会保険料の全額自己負担・経費・国民健康保険の負担があるためです。
なぜ単価×12ではなく、これほど複雑な計算をするのですか?
正社員は社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)を会社と折半しますが、フリーランスは国民年金・国民健康保険を全額自己負担します。この「見えない差」に加えて、フリーランスには経費や稼働率(実際に仕事がある月の割合)の変動もあるため、単価×12だけでは実態とかけ離れた数字になります。本ツールはこれらをすべて織り込んで計算します。
「手取り等価」と「企業コスト等価」はどう違いますか?
「手取り等価」は、フリーランスの手取り(税・社会保険料を差し引いた後の金額)と同じ手取りになる正社員の年収です。「企業コスト等価」は、正社員を雇う企業が負担する社会保険料等を含めた総コストが、フリーランスの年商と同じになる年収です。企業コスト等価のほうが年収の額面は高く出ます(会社負担分がまるまる年収換算に乗るため)。この2つの差が「なぜ単価が高く見えるのに手取りは思ったより増えないのか」を説明します。
フリーランスになると社会保険料の負担は増えますか?
多くの場合で増えます。正社員は健康保険・厚生年金の保険料を会社と折半(本人負担はおよそ半分)しますが、フリーランスが加入する国民年金・国民健康保険には会社負担にあたる仕組みがなく、全額自己負担になります。さらに国民健康保険には厚生年金のような将来の上乗せ給付がなく、老後の年金額にも差が出ます(本ツールでは老後の給付差までは計算していません)。